よくある質問
設計編
- CP工法に適する建物形状等について
-
- Q1.
建物荷重、階数や高さの制限はありますか?
- Q2.
免震装置がある建物では使えますか?
- Q3.
基礎梁がないと使えませんか?
- Q1.
- 固定度の評価方法について
-
- Q4.
固定度はどの位が目安ですか? また、固定度を0.5にできるようなPCリングはありますか?
- Q5.
二次固定度になると各杭の負担水平力の分担計算をしなおす必要がありますが、収束するまで何度も計算しなおさなければいけませんか?
- Q6.
パイルキャップに複数本の杭が接合される場合も同様の固定度の評価方法でよいですか?
- Q7.
杭の設計を二次設計まで行うのですが、CP工法の二次設計の方法を教えて下さい。
- Q8.
杭体と杭頭接合部の応力の違いについて教えてください。
- Q4.
- CP工法に適した地盤について
-
- Q9.
液状化する地盤でも使えますか?
- Q10.
短杭の場合にも適用できますか?
- Q11.
PCリングとパイルキャップ外側の最小長さ(へりあき)の規定はありますか?
- Q12.
PCリングの定着筋は曲げに対しても設計されていますか?
- Q9.
- 杭体と杭頭接合部の応力の違いについて
-
- Q13.
杭体には軸力,曲げとせん断力が作用していますが,杭頭接合部では軸力とせん断力しか作用しなくなるのでしょうか?
- Q14.
杭体で曲げが作用し断面内に引張力が生じる場合,杭頭接合部で引張力がなくなるのでしょうか?
- Q13.
-
CP工法に適する建物形状等について
- Q1.
建物荷重、階数や高さの制限はありますか?
- A1.
建物荷重、階数や高さに制限はありません。
- Q2.
免震装置がある建物では使えますか?
- A2.
免震装置があっても使用可能です。
- Q3.
基礎梁がないと使えませんか?
- A3.
固定度に見合った曲げモーメントに耐えられる基礎マットでも構いません。
- Q1.
-
固定度の評価方法について
- Q4.
固定度はどの位が目安ですか?また、固定度を0.5にできるようなPCリングはありますか?
- A4.
初期固定度α1で約0.75程度です。但し、抵抗モーメントを超える応力状態(二次固定度:α2)では固定度が急激に減少します。また、CP工法は軸力によって固定度が変わりますので、固定度指定による設計はできません。
- Q5.
二次固定度になると各杭の負担水平力の分担計算をしなおす必要がありますが、収束するまで何度も計算しなおさなければいけませんか?
- A5.
必要となります。例えば杭種や杭径が同じであれば、2回程度の再計算で実用上問題のない程度まで収束します。
- Q6.
パイルキャップに複数本の杭が接合される場合も同様の固定度の評価方法でよいですか?
- A6.
接合は単杭ごとに行うので、同じです。
- Q4.
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- Q7.
杭の設計を二次設計まで行うのですが、CP工法の二次設計の方法を教えて下さい。
- A7.
現状としては、CP工法の評定範囲は許容応力度設計の範囲内のため、終局設計は評定の範囲外です。
但し、下記の@、A(引張定着筋を使用する場合はBを追加)の項目を検討し、杭頭接合部の安全性を確認することで、終局設計にも対応可能です。
@ 終局設計せん断力を作用させた時に、杭頭の回転角θが0.03rad以下であること。
A 終局設計せん断力作用時に、杭頭のせん断力(存在応力)より、PCリングの終局せん断耐力が上回っていること。
B 引張定着筋の終局引張耐力の検討を行うこと。
- Q7.
-
- Q8.
従来工法(杭頭固定工法等)との併用は可能ですか?また、適用する場合の注意点は何ですか?
- A8.
同一建物内で従来の固定結合工法との併用は可能です。但し、せん断力の分担割合が変化しますので、これを考慮して下さい。
- Q8.
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CP工法に適した地盤について
- Q9.
液状化する地盤でも使えますか?
- A9.
使用可能です。但し、液状化を考慮した応力算定が必要です。
- Q10.
短杭の場合にも適用できますか?
- A10.
長杭のChang式に対応する短杭の設計図表や式を用いれば設計可能です。
- Q9.
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- Q11.
PCリングとパイルキャップ外側の最小長さ(へりあき)の規定はありますか?
-
A11.
PCリングとパイルキャップのへりあき寸法は、
200mm以上確保して下さい。また、引張鉄筋にFRIP等の定着金物を使用する場合には、引張鉄筋からパイルキャップ外面までの最小寸法を引張鉄筋の定着長さ以上確保して下さい。
- Q11.
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- Q12.
PCリングの定着筋は曲げに対しても設計されていますか?
- A12.
PCリングはせん断力に抵抗するので、PCリングの定着筋には杭頭曲げが作用しません。
- Q12.
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杭体と杭頭接合部の応力の違いについて
- Q13.
杭体には軸力,曲げとせん断力が作用していますが,杭頭接合部では軸力とせん断力しか作用しなくなるのでしょうか?
- A13.
ある深度Hで杭を切断し,ピンをおいてどのような力が作用するか考えると,図1に示すように杭断面には軸力NH=Nc−Nt,曲げMH=(Nc+Nt)・D/2が作用します。すなわち,曲げは軸力差で表わすことができます。なお,単純化のためせん断力は省略しました。
杭頭接合部の応力として,図2の曲げモーメントMoと回転角θoの関係における点Aの状態を考えます。点Aでは,初期回転剛性,すなわちPCリング内側のコンクリートの回転剛性で決まることから,深度Hで切断した場合と同様に2つのピンに圧縮力が生じ,軸力差に対応した曲げが作用する状態です(図3参照)。次に,図2の点Bでは,杭頭が回転するので,引張られる側のピンに軸力が無くなり,圧縮側のピンだけに軸力が作用し,釣合います(図4参照)。杭頭の曲げはNc2=0なのでNc1・D/2となり,最大抵抗モーメントと一致します。というより,図2の回転特性は力の釣合から決めているのです。
以上から,質問の回答は次のようになります。 - Q14.
杭体で曲げが作用し断面内に引張力が生じる場合,杭頭接合部で引張力がなくなるのでしょうか?
- A14.
1) 杭頭の曲げが最大抵抗モーメント以下の時は杭頭に軸力,曲げとせん断力が作用します。最大抵抗モーメントに達すると,杭頭の断面内には曲げが生じません。
杭体は曲げに対して圧縮力と引張力で抵抗していますが,杭頭接合部では曲げに対して圧縮力だけで抵抗していますので,杭頭接合部には引張力はなくなります。
- Q13.
施工編
- PCリングの設置について
-
- Q1.
杭との隙間は基礎と同じコンクリートで埋めても良いですか?
- Q2.
PCリングの下は空洞でも良いですか?
- Q3.
充填モルタルの強度は決められていますか?
- Q4.
既製杭の杭頭部に中詰めコンクリートは必要ですか?
- Q5.
PCリングの外側にコンクリートが回っても良いですか?
- Q1.
- 杭施工の管理基準とトラブルの対処方法
-
- Q6.
既製杭の低止まりの許容値と対処方法はどうすれば良いですか?
- Q7.
杭の高止まりはどの程度許容できますか?また、高止まりした場合はどうすればよいですか?
- Q8.
杭の倒れ精度(鉛直精度)は、通常より厳しくなりますか?
- Q6.
- PCリングの受け入れ検査の方法
-
- Q9.
管理項目及び管理基準を教えて下さい?
- Q9.
-
PCリングの設置について
- Q1.
杭との隙間は基礎と同じコンクリートで埋めても良いですか?
- A1.
隙間の充填の確認が困難であるためモルタルの使用を標準としています。
- Q2.
PCリングの下は空洞でも良いですか?
- A2.
回転性能には影響ありませんが、施工上必要となると思われます。
- Q3.
充填モルタルの強度は決められていますか?
- A3.
隙間が埋められていれば問題ないため、強度の規定はありません。
- Q4.
既製杭の杭頭部に中詰めコンクリートは必要ですか?
- A4.
コンクリートが落ちないようになっていれば中詰めする必要はありません。但し、鋼管杭の場合は座屈の懸念がありますので、杭径程度の深さまでコンクリートを詰めておく規定となっています。
- Q5.
PCリングの外側にコンクリートが回っても良いですか?
- A5.
発泡ポリエチレンが回転拘束を防ぐため、問題ありません。
- Q1.
-
杭施工の管理基準とトラブルの対処方法
- Q6.
既製杭の低止まりの許容値と対処方法はどうすれば良いですか?
- A6.
施工した杭頭レベルに合わせ、PCリングをセットします。同時にパイルキャップ下端を下げます。工事監理者と協議の上、図書に基づき施工して下さい。
- Q7.
杭の高止まりはどの程度許容できますか?また、高止まりした場合はどうすればよいですか?
- A7.
1) 許容値は5cmです。
@ 高止まりした場合は、規定の許容値以内に納まるようにリングのスペーサーを調節するなどして、出来るだけ杭頭をカットしないようにします。(杭頭を切断することによって、杭頭から400〜500mm程度の範囲でプレストレスが減少するという実験結果があるため)
A やむを得ず杭頭をカットする際は、ダイヤモンドカッター等で、杭にひびが入らないよう切断します。
B PHC杭・PC杭で杭頭を切断した場合は、プレストレスが無いものとして杭の設計(曲げ、せん断)をします。これでN.G.の場合は中詰めコンクリートで補強を行います。
中詰めコンクリート補強した杭の断面計算は、鉄筋の効果を無視し、コンクリート断面のみで検討します。 - Q8.
杭の倒れ精度(鉛直精度)は、通常より厳しくなりますか?
- A8.
通常の場合と同じ精度で構いません。
- Q6.
-
PCリングの受け入れ検査の方法
- Q9.
管理項目及び管理基準を教えて下さい?
- A9.
1) 図面や出荷時の製品検査表を基に搬入されたPCリングの種類や個数の確認を行う。
その他に一般的な受け入れ検査は以下の項目です。管理項目 管理基準 確認方法 外径 ±5mm スケール 内径 ±5mm スケール 高さ ±5mm スケール 定着筋長さ ±10mm スケール 外観 ひび割れ、欠けのないこと 目視
- Q9.
工法概要
- キャプリングパイル工法(CP工法)とは
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- Q1.
何のために開発されたのですか?
- Q2.
工法の目的は何ですか?
- Q3.
工法のエッセンス・利点は何ですか?
- Q4.
評定取得工法ですか?
- Q5.
誰でも使えますか?
- Q1.
-
キャプリングパイル工法(CP工法)とは
- Q1.
何のために開発されたのですか?
- A1.
CP工法は杭頭を半固定接合とする為に開発された新工法です。
- Q2.
工法の目的は何ですか?
- A2.
杭頭を半固定とする目的は、杭頭曲げを固定(在来)の場合より低減させ、杭材の損傷をなくし、基礎梁への杭頭曲げ戻しを少なくすることです。
- Q3.
工法のエッセンス・利点は何ですか?
- A3.
CP工法は杭頭にプレキャストリングを被せるだけというシンプルな方式であり、他の半固定工法より格段に施工性・コストの面で優れています。
- Q4.
評定取得工法ですか?
- A4.
CP工法は日本建築センターの一般評定を取得しています。
- Q5.
誰でも使えますか?
- A5.
CP工法の評定取得者(鹿島建設梶jの実施許可を受けた者(キャプリングパイル協会員他)は使えます。
- Q1.
取扱いについて
- キャプリングパイル協会(CAPIA)への加入は
-
- Q1.
CAPIAへの加入は誰でも出来ますか?
- Q2.
加入の資格・条件等はありますか?
- Q3.
加入者への技術指導はしてもらえるのですか?
- Q4.
CAPIAはCP工法を具体的にどのように取り扱うことになるのですか?
- Q1.
-
キャプリングパイル協会(CAPIA)への加入は
- Q1.
CAPIAへの加入は誰でも出来ますか?
- A1.
CP工法の評定取得者(鹿島)が加入を許可すれば誰でも加入できます。
- Q2.
加入の資格・条件等はありますか?
- A2.
特に資格・条件はありませんが、加入に先立ちCP工法の実施許諾の契約を結ぶ必要があります。
- Q3.
加入者への技術指導はしてもらえるのですか?
- A3.
鹿島のCP工法協会委員が定期的にCAPIAとの会議を開き、技術指導・情報交換・資料提供等を行います。
- Q4.
CAPIAはCP工法を具体的にどのように取り扱うことになるのですか?
- A4.
CP工法の営業・提案・設計・実施を行うことが出来ます。
※詳細は、キャプリングパイル協会ホームページをご覧下さい
http://capia.biz/index.html
- Q1.
その他
- PCリングについて
-
- Q1.
パイルキャップ面が杭頭接合面端部の支圧で壊れませんか?
- Q2.
発泡ポリエチレンの効用はなんですか?
- Q3.
杭頭回転角1/400radでPCリングにひび割れが入るのは早すぎませんか?
- Q4.
PCリングと杭頭との重なり70mmと決めた理由は何ですか?
- Q5.
現在の杭とPCリングかかり代で外れる心配はありませんか?
- Q6.
酸性の強い地下水に接する場合、鋼版が錆びてしまう心配はありませんか?
- Q7.
どの程度のコスト低減が期待できますか?
- Q1.
-
PCリングについて
- Q1.
パイルキャップ面が杭頭接合面端部の支圧で壊れませんか?
- A1.
実験ではパイルキャップ内面に損傷は見られませんでした。杭頭接合面の端部だけでなくPCリングにも圧縮力が分布するので、支圧で壊れることはありません。
- Q2.
発泡ポリエチレンの効用はなんですか?
- A2.
PCリングが捨てコンで拘束されないように入れています。発泡ポリエチレンがないとPCリングが拘束されてしまい、PCリングがひび割れて変形することによって生じる杭頭回転が起きなくなりますので、固定度が低下しなくなります。
- Q3.
杭頭回転角1/400radでPCリングにひび割れが入るのは早すぎませんか?
- A3.
ひび割れても、PCリング内のウルボンスパイラル筋で拘束しているので問題ありません。
- Q4.
PCリングと杭頭との重なり70mmと決めた理由は何ですか?
- A4.
せん断力の伝達に必要な重なりとしてあります。重なりが大きいほどせん断伝達性能が良くなりますが、杭頭が回転しにくくなるので、この点にも注意して決めてあります。
- Q5.
現在の杭とPCリングかかり代で外れる心配はありませんか?
- A5.
実験では1/30radまで杭頭回転させたが外れていません。杭頭が外れる場合は、上下動で杭頭が離れたときに大水平動が作用する状況しかあり得ませんが、引張定着筋が配筋されていれば大丈夫です。
- Q6.
酸性の強い地下水に接する場合、鋼版が錆びてしまう心配はありませんか?
- A6.
モルタルや捨てコンクリートがあるので、地下水に接することはありません。
- Q1.
-
- Q7.
どの程度のコスト低減が期待できますか?
- A7.
CP工法によるコスト低減は、従来杭頭結合による杭工事費を基準にすると、施工性の改善に伴うコストメリットを考慮しなくても、約5〜10%が見込めます。
- Q7.